ヘルペスを治療しましょう

ヘルペスは口や性器に発生する病気です。誰でも発症する可能性があり、周りに感染しやすい病気とも言えます。ヘルペスは早期発見と早期治療を行えば症状を抑えることもできます。ヘルペスの治療に効果を発揮し、最も一般的ともいえる治療薬がバルトレックスという薬です。では、バルトレックスはどのような効果と副作用があるのか見ていきましょう。

2018.03.28 この記事は約108秒で読めます。

単純ヘルペスウイルスが感染し増殖することで発症するのが、口唇・性器ヘルペスです。
ウイルスには1型と2型がありそれぞれ増殖する場所が異なりますが、初めての場合では、型の種類に関係なく体のどの部分にでも感染します。

感染症には、ウイルスの他に細菌が病原体となる場合がありますが、この場合は抗生物質によって死滅させることが可能です。
しかし、ウイルスの場合は細菌などに効果的な抗生物質は効きません。
ヘルペス治療では抗ウイルス薬を使用しなければ効果がないのです。

ヘルペスは早く治療を始めれば症状や病変を最小限に抑えることも可能ですが、服用タイプと外用タイプがあり、治療方法も他のウイルス感染症とは異なる点があります。
まず最初に行うことは、服用タイプの抗ウイルス薬を使うことで、ヘルペス治療の薬の中でもバルトレックスと呼ばれる抗ウイルス薬がおすすめです。
では、バルトレックスがどのようにヘルペスに効くのかなどを詳しく見ていきましょう。

バルトレックスの副作用で多いのは何か?

注意を促すイメージ

バルトレックスは、単純ヘルペスウイルスの増殖を抑える薬で、バラシクロビルが主成分となっています。
単純ヘルペスウイルスには1型と2型がありますが、このバラシクロビルは1型・2型のどちらにも高い効果をもたらしてくれます。

ヘルペス治療薬の代表的な主成分にアシクロビルがあり、このアシクロビルを主成分とする治療薬を早めに服用することで、病変を最小限に留めることができ治療期間の短縮も期待できます。
ただし、アシクロビルには大きな欠点があり、抑制効果が持続する期間が極端に短いので、増殖を抑えるために何度も服用する必要があります。
なぜ、効果の持続期間が短いのかというと、アシクロビルは肝臓で代謝されますがその際に、その大半が分解されてしまい体外へと排出されてしまう点にありました。

バルトレックスの主成分バラシクロビルは、アシクロビルにバリンというアミノ酸の一種を結合させており、このバリンがアシクロビルの肝臓分解を阻害し、身代わりとして自らが分解・代謝される働きをします。
バリンのおかげで、肝臓から代謝された時にはバラシクロビルから十分な量のアシクロビルへと変化し、ヘルペスウイルスを抑制することができます。
そのため、バルトレックスはアシクロビルを主成分とする治療薬よりも、服用回数も減るほか、効果は長時間持続するため何度も飲む必要もなく、治療期間を短縮させることができるわけです。

ヘルペスの治療期間を短縮させるのに効果的なバルトレックスですが、気になるのは副作用です。
高い効果を発揮するため、その分副作用も出るのではと考えてしまいますが、バルトレックスは副作用は少ないほうで、重大化するような副作用も報告されていません。
ただし、用量を守らずに大量に服用すると意識障害や精神変調を起こしやすくなります。
また、腎臓機能が低下している人が服用すると、場合によっては急性腎不全などを引き起こす危険性があるため、十分に注意が必要です。

バルトレックスの副作用としては、主に以下の症状があります。

  • 頭痛
  • 眠気
  • 腹痛
  • 肝機能検査値の上昇
  • 下痢
  • 吐き気
  • めまい
  • 発疹
  • かゆみ

重篤な副作用の場合は主に以下の症状があります。

  • 急性腎不全
  • アナフィラキシーショック
  • 重い精神神経症状
  • 朦朧状態
  • けいれん
  • 意識障害
  • 重い肝機能異常
  • 倦怠感
  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 発疹
  • 皮膚や白目が黄色くなる
  • 尿が茶褐色になる

しかし、重篤な副作用はごく稀でありめったに発現することはありません。

これらの副作用の中で最も多く発現した症状が「頭痛」で、国内臨床試験ではヘルペス患者397例中64例(16.1%)で何らかの副作用が発現し、そのうち頭痛は11例(2.8%)という結果が報告されています。
その次に多かった症状は「眠気」などの意識低下で397例中10例(2.5%)、3番目に「肝機能検査値の上昇」で5例(1.3%)となりました。
この臨床試験の結果から、発現しやすい副作用は頭痛と眠気などの意識低下です。

性器ヘルペスは特に再発率が高いため、再発予防を目的にバルトレックスを服用することもあります。
このような場合で起こる副作用として、海外臨床試験では1646例中481例(29.2%)に何らかの症状(臨床試験検査異常も含む)が発現しています。
主な症状は、頭痛が1646例中158例・吐き気106例(6.4%)・下痢62例(3.8%)・腹痛43例(2.6%)でした。

また、再発型性器ヘルペス患者への長期にわたる試験では、368例中12例(3.3%)に副作用の発現が確認され、主な症状は上腹部の痛み2例・肝機能異常2例(ともに0.5%)となっています。
この試験結果から、副作用の少なく安全性も高いとされるバルトレックスであっても、過度な量を一気に服用したり長期間服用すると、副作用が起こる場合が高く、またその症状も重症化しやすいことが分かります。

ヘルペスの感染経路について

ウイルスの型によって感染する箇所が異なるのがヘルペスの特徴であり、1型は口や唇・顔など主に上半身に感染し、2型は性器に感染します。
感染経路についても1型と2型では異なる場合が多いです。

口唇ヘルペスの感染経路は、ウイルス感染者との粘膜・体液との接触によるもので、空気感染はありません。
また、病変部への接触によっても感染しません。
性器ヘルペスの感染経路は、性器同士の粘膜接触や性器と口との粘膜接触です。
症状が無い時であってもウイルスは神経節の奥に潜伏しているため、性器の皮膚や粘膜に出てきてパートナーに感染させることもあります。
また、口唇ヘルペス患者がパートナーの性器を口に入れることで、相手に性器ヘルペスをうつしてしまうことになります。

初めての感染は、子供の頃が多くその時には気付かないこともあります。
例えば、出産間近の妊婦さんが性器ヘルペスに感染していた場合、そのまま自然分娩を行うことで赤ちゃんの皮膚とお母さんのヘルペス病変が接触する可能性があり、赤ちゃんに感染させるリスクが高まってしまいます。
このような状況では、母子感染を防止するために自然分娩ではなく帝王切開での出産方法が採用されます。
新生児が産道感染によってヘルペスを発症する確率は非常に稀といわれていますが、万が一感染した場合には小さな体全体にウイルスが増殖し、多臓器不全を引き起こして死亡してしまう危険性が高まります。
幸いに死亡しなかったとしても脳炎を引き起こしたり、皮膚や粘膜に病変が現れます。
一度感染すると一生付き合っていかなくてはならないため、新生児感染は絶対に避けなければなりません。

では、再発型のヘルペスはどのような仕組みで発症するのでしょうか。
口唇ヘルペスの場合は、一度感染したことで1型ウイルスが、頭部にある三叉神経節と呼ばれる神経の集中している部分に潜伏します。
しかし、たとえウイルスが三叉神経節に潜り込んだとしても、人間には抵抗力や免疫力が備わっているためウイルスが活発に増殖することはできません。
ところが、体調不良・過労・ストレス・ホルモンバランスの乱れ・紫外線などで、人間が本来兼ね備えている抵抗力・免疫力が低下することで、ウイルスが一気に活発化して症状を引き起こします。

性器ヘルペスの場合は、2型ウイルスに感染すると性器から神経を伝って腰のあたりまで上ってきます。
そして、脊髄の腰辺りにある仙髄神経節に潜伏します。
2型ウイルスが活性化するのは、1型と同様に抵抗力や免疫力が低下した時ですが、さらに2型の場合は症状が出ていなくても、仙髄神経節から皮膚や粘膜まで下りてきて、症状をもたらします。
これは、初感染と比べて再発の場合は、男性・女性ともに症状が軽くなるケースが多いからです。

口唇・性器のどちらのヘルペスでも、何らかの原因で再発する場合にはそれぞれが潜伏している神経節(1型は三叉神経節・2型は仙髄神経節)から知覚神経を下って、初感染時とほとんど同じ場所に病変を作ります。
現在の医学でもそのメカニズムまでは解明されていません。

特に性器ヘルペスに感染した場合、再発を繰り返す確率が高いため、他の細菌などによる性感染症の様に根治させることが困難であり、患者さんにとっては肉体的負担の他に精神的負担が大きく伸し掛かります。
その理由の1つとしては、再発を繰り返すことで無症状のままウイルスだけを排出してしまうケースが多く、その確率は70%~80%ともいわれており、患者本人が気付かないまま大切なパートナーに移していることがあるからです。

更に、性器ヘルペスに感染していると、その病変からHIVの原因となるヒト免疫不全ウイルスが侵入する確率が、非感染者の少なくとも2倍は高くなるといわれています。
つまり、HIVに感染することでAIDSを発症する確率も高くなってしまいます。

ヘルペスの潜伏期間について

ヘルペスの潜伏期間は、口唇ヘルペスと性器ヘルペスで期間の長さが違います。
また、症状が現れてから治まるまでの期間にも差があります。

口唇ヘルペスの場合、急性型(初感染)では感染してから3日~7日程度の潜伏期間を経て発症します。
初期症状(前駆期)では、感染部分にピリピリ感やチクチク感を感じたり患部がムズムズする感覚を覚え、患部の灼熱感や違和感・かゆみなどを感じ、徐々に赤く腫れてきます。
この段階になると、ウイルスが活発に増殖をしていることになります。
この時期にバルトレックスを服用して治療を始めることで、増殖を最小限に止めることができます。
2日~3日ほど経過すると水疱ができるようになり、この水疱には増殖したウイルスがいます。
その後、患部がかさぶたとなり、およそ1週間~2週間で治まります。

性器ヘルペスは、感染してから2日~21日程度の潜伏期間を経て発症します。
最初は患部の表面がヒリヒリしたりむず痒さを感じ、その2日~10日後に痒みを伴った1mm~2mm程度の小さく赤い発疹ができます。
その発疹はウイルスの増殖と共に大きくなり、やがて水疱となります。
水疱が破けると患部がただれてしまい、強い痛みや灼熱感を感じます。
性器は太もものリンパ節ともつながっていることから、患部の強い痛みと共に太もも部分にも腫れや痛みが出ることもあります。

急性型の治療では、バルトレックスなどの内服タイプの治療薬を5日間服用します。
早期に薬を服用することで症状も抑えられ治療期間が短くなりますが、きちんと対処しないと治癒するまでに2週間~4週間程掛かってしまいます。
特に女性の場合では、治療を行わずにいたことで排尿困難や歩行困難となり、入院を余儀なくされる可能性があり、これが原因で不妊になるリスクもあるため、早期治療を行うことが必要です。

再発型の場合

再発型の口唇ヘルペスは、すでに三叉神経節に潜伏しており再発のタイミングを常に待っている状態です。
また、たとえ免疫を獲得して抗体が出来ていたとしても、抵抗力が低下したタイミングでウイルスは活性化してしまいます。
大人になってから口唇ヘルペスを発症した場合、そのほとんどが再発型であるといわれており、1年に1回~2回の頻度で再発を繰り返します。
発症してから治癒するまでには約1週間~2週間掛かりますが、症状は急性型よりも軽くなることがほとんどです。

再発型の性器ヘルペスも、仙髄神経節に潜伏しているため再発しやすいです。
精神的負担が大きいことから、ストレスやホルモンバランスの乱れなどが主な再発要因となっていますが、口唇ヘルペスと同様に、症状や病変は小さく、治療期間も1週間程度となることが多いです。

再発では、症状が軽いため気付かないことも多く、性器同士の粘膜接触で再発を繰り返してしまうケースもあり、頻度は多い人は1ヶ月に2回~3回になることもあります。
また、少ない人でも再発率は80%以上と高いため、1年に1回~2回は発症するといわれています。
年齢を重ねてくるに連れ、パートナーとの粘膜接触も少なくなる傾向にあることから、再発率も低下してくるのが一般的です。

このようにヘルペスウイルスは、初感染の場合では1型が3日~7日、2型が2日~21日程度の潜伏期間を経て発症します。
特に2型の場合は、人によって潜伏期間の長さに大きな差があります。
また、再発型においても、性器ヘルペスは精神面が大きく関係しており、多い人では1ヶ月に2回~3回も繰り返してしまうケースもあるため、精神的負担がとても大きくなってしまうことが分かります。

ヘルペスウイルスは、一度感染してしまうと治療薬の成分が届かない神経節の奥まで侵入してしまい、根治させることは困難です。
ですが、バルトレックスを早期に服用することで、ウイルスの増殖を抑制させることができ症状を軽減させられます。
従って、自覚症状が出始めたらすぐに医療機関を受診しましょう。